【Blender 2.92】巻貝(貝殻)の模様の作り方について【2021/6/5 マテリアルノード考察】
6月5日に作った「巻貝」の模様について、自分が「何をどのように考えてそうなったか」をまとめてみました(おもに自分の備忘のためです)。
ノイズ・波・マスグレイブなどのテクスチャをうまく組み合わせて使うと、Blender初心者の方でも「巻貝らしい」模様を作ることができます🐚
ご意見・質問等はクララのTwitter(https://twitter.com/klala_lab)まで(^^)/
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作成の経緯
ささらBchさんのYoutube動画「巻貝の謎」を見て、配列&エンプティを使った巻き貝の作り方を学びました。
簡単にリアルな巻貝のモデルを作れるようになったので、よりリアルに見えるようにマテリアルノードを使って模様を作ることを考えました。
使用した手法
今回は、巻貝(貝殻)の模様&凹凸の作り方のみ紹介し、巻貝のモデリング方法には一切触れません(笑)💦
巻貝のモデリング方法は、↑のささらBchさんの動画でわかりやすく紹介されているので、そちらを参照ください🙇
- マテリアルノード
- ノイズテクスチャ
- 波テクスチャ
- マスグレイブテクスチャ
- バンプ
- シェーダーミックス
巻貝の模様・凹凸の作り方
「巻貝 模様」「巻貝 貝殻」「conch shell pattern」などと検索すると、さまざまな模様の巻貝が出てきます。これらの画像を参考に、マテリアルノードをどのように使えば巻貝の模様が作れるか検討しました。
(Google検索で出た巻貝の貝殻の画像 ※クリエイティブコモンズライセンスのみ表示)
斑点模様→ノイズテクスチャ
まず、検索画像でよく見る、斑点模様の貝殻を作ろうと思い、ノイズテクスチャを使ってみました。
貝殻にマテリアルを設定し、シェーダーエディター上でShift+A→「テクスチャ>ノイズテクスチャ」を追加し、「プリンシプルBSDF」のカラーに接続します。
すると、以下のようなぼんやりとした虹色の模様が現れます。こちらがノイズテクスチャの素の色です。
※貝殻の内側にはすでに別のマテリアルスロットが割り振られています。貝殻の内側のテクスチャの作り方は後で説明します。
次に、ノイズテクスチャの色を変更してみます。
「コンバータ>カラーランプ」を追加し、左クリックでドラッグしてプリンシプルBSDFの間に割り込ませます。
すると、図のように貝殻の色が虹色から白黒に変わります。これはカラーランプの色が初期設定で白黒になるからです。
カラーランプを追加することで、ノイズテクスチャの模様が白黒ではっきりと見えるようになります。
さらに、ノイズテクスチャやカラーランプのパラメータをいじってみます。
(下図左上)カラーランプの黒色の矢印(と呼ぶのかわかりませんが…)を右に動かすと、黒の領域が広がります。
(下図右上)ノイズテクスチャの「スケール」の値を大きくすると、模様が細かくなります。
(下図左下)ノイズテクスチャの「粗さ」の値を小さくすると、模様がくっきりとするようになり、
(下図右下)ノイズテクスチャの「粗さ」の値を大きくすると、模様が不鮮明になります。
「歪み」の値を大きくすると、こちらのように模様が歪みます(ちょっと不気味。。。笑)
さらに、カラーランプの矢印をクリックした後で下のカラーをクリックすると、図のように色を変更できます。
また、カラーランプ中「+」ボタンを押すと3色目以降を追加できます。
3色使うことで、以下のように貝殻っぽい斑点模様ができました。
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縞模様→波テクスチャ
次に、縞模様の貝殻を作ってみました。
縞模様は波テクスチャで作れるようなので、「テクスチャ>波テクスチャ」をプリンシプルBSDFのベースカラーにつないでみました。
すると、以下のようなタテジマが現れました。
貝殻が巻く方向に沿った縞模様にしたいので、縞々を傾ける必要があります。
波テクスチャの座標軸をXからYに変更すると、以下のような横縞になります。
ここから少し傾けるために、「テクスチャ座標」と「マッピング」を追加しました。
Blenderの無料アドオン「NodeWrangler」を有効化しておくとショートカットキー「Ctrl+T」で一発生成されるので便利です(以前書いた「警察マーク&交番」の記事でも紹介しました)。
貝を真上や横から見て、縞の角度が貝殻の巻きに沿うように、「マッピング」の「回転」のZとXの角度を微調整しました。
縞模様の間隔は、波テクスチャの「スケール」で調節できます。
最後に、先ほどのノイズテクスチャと同様に、波テクスチャとプリンシプルBSDFの間にカラーランプを追加し、色を調節しました。
余談ですが、下図のようにUV展開して(貝殻の入り口から先端までシームを入れる)、テクスチャ座標の「UV」とマッピングをつなぐと、以下のように巻き方向に垂直な縞模様も作れます。
迷彩模様→マスグレイブテクスチャ
マスグレイブテクスチャを使っていろいろいじっている間に、イモガイの一種「タガヤサンミナシ」のような不思議な迷彩模様が作れたので紹介します。
※「タガヤサンミナシ」は毒針を持っている危険生物です(参考サイト)!刺されると最悪死亡する場合があるので、海で見かけても絶対に触らないでください☠!
画像「タガヤサンミナシ」(Wikimedia commonsより)
「テクスチャ>マスグレイブテクスチャ」を追加しプリンシプルBSDFとつなぐと、図のような模様ができます。
「スケール」の数字を上げると模様が細かくなります。
上から2番目の「fBM」を「マルチフラクタル」「畝のあるマルチフラクタル」「ハイブリッドマルチフラクタル」「ヘテロ地形」に変更すると、模様が変化します。
「畝のあるマルチフラクタル」の模様が貝殻っぽかったので、採用しました。
先ほどと同様に、カラーランプをマスグレイブテクスチャとプリンシプルBSDFの間に追加し、色とスケールを調整することで「タガヤサンミナシ」のような模様が完成しました。
バンプを使った凹凸の表現
さきほどのノイズで作った貝殻ですが、このままでもよいのですが貝殻らしい凸凹をつければもっとリアルになります。
「ベクトル>バンプ」を追加することで、表面に凹凸をつけることができます。「バンプ」は、テクスチャの白黒を表面の凹凸に変換してくれるノードです。
以下のようにノイズテクスチャの「カラー」とバンプの「高さ」、バンプの「ノーマル」とプリンシプルBSDFの「ノーマル」とつなぎました。
バンプを追加することで、図のように黒い斑点模様の部分が凹んで見えます。
また、ノイズテクスチャの代わりに、波テクスチャを追加しバンプにつなぐことで、こちらのような縞状の凹凸ができます。
なお、バンプテクスチャの使い方については、以下お二方からいただいた情報を参考として掲載させていただきます🙇
けまり(@actNero398)さん 「けものこばち」
ぷるぷる(@purupuru_connyu)さん
貝殻の内側のテクスチャ
Solidifyモディファイヤのマテリアル指定の機能を使って、貝の内側にマテリアルスロットを割り当てました。ぷるぷる(@purupuru_connyu)さんの以下ツイートを参考にさせていただきました🙇
うっすらと虹色の光沢をもたせるために、ノイズテクスチャをつないだプリンシプルBSDFと、白色を設定したプリンシプルBSDFをシェーダーミックスで混ぜ合わせました。
つやつやにしたかったので、両方とも粗さは0です。貝殻の主成分であるカルシウムっぽさ(?)を出すために、ノイズテクスチャにつないだ方のプリンシプルBSDFには「メタリック」を1に設定してみました。
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まとめ
マテリアルノードを使った、簡単な模様の作り方について書いてみましたが、いかがだったでしょうか?
数種類のノードを組み合わせるだけで、様々なバリエーションが作れるので、面白くてずっとノードをいじっていたくなりました😆笑
もっと色々なマテリアルをノードで表現できるようになりたいので、今後もっと本格的にノードを勉強していきたいと思います😊
参考動画・サイト
ささらBchさん Blender M01-072【巻貝の謎】🐚貝.kai,shell
ブレンダー標準無料アドオン NodeWranglerの解説動画です。
ささらBchさん Blender O01-005【NODE WRANGLER】
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