【Blender2.93】MINI Cooper S Part5 マテリアル&コンポジット設定【Car modeling】
3DCGソフトBlenderでの自動車モデル製作過程を、何回かに分けて連載します(BMW MINI クーパーS 2007年モデル/R56型)🖥️
これまで作成した記事はこちらの一覧を参照ください。
今回は、ボディのマテリアルと、レンダリングに使用したコンポジットの設定についてまとめました。
一応、自動車モデリングとしてはこれで完成となります(リグ&アニメーションの作成は次回記事で紹介します)。
ご意見・質問等はクララのTwitter(https://twitter.com/klala_lab)まで(^^)/
<完成図>
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マテリアル設定について
今回Mini Cooper Sのモデリングに使用したマテリアル(の一部)と、その設定意図を紹介します。
車の塗装(ボディ)
車のボディの塗装部分は、こちらのようにプリンシプルBSDFを調整したものになっています。
「クリアコート」の数値を上げて、塗装のワックスを表現しています。
(今回はクリアコートの厚さを1.0で設定しましたが、映り込みを表現したい場合は3程度に上げても良いと思います)
また、ボディの板金のゆがみを表現するためにノイズテクスチャとバンプを「ノーマル」につなぎました。
(今回はバンプの「強さ」は0.05で設定しましたが、映り込みをきれいに表現したい場合はもっと低くした方が良いと思います)
なお、マテリアルの作成方法については、「灰ならし」さんのブログ記事を参考にさせていただきました🙇
金属パーツ
金属パーツは、仕上げによって光沢や異方性など見た目が変わるので、何パターンか作りました。
研磨・鏡面仕上げ
ライト回りや装飾などのツヤツヤした金属パーツは、こちらのように「メタリック1」「ラフネス0.1」で設定しました。
ミラーの反射面はラフネスを0にすることで鏡面仕上げを表現できます。
研磨痕
ブレーキディスクの研磨痕(ブレーキパッドとの摩擦によるキズ)は、こちらのようにグラデーションテクスチャとノイズテクスチャで表現しました。
詳しくはこちらの記事を参照ください。
なお、こちらのマテリアルの作成方法についても、「灰ならし」さんのブログ記事を参考にさせていただきました🙇
合皮(シート・ダッシュボード・ハンドル)
合皮のマテリアルは、こちらのようにボロノイテクスチャを使って表現しました。
また、模様に自然なばらつきを加えるために、「テクスチャ座標」と「ベクトルマッピング」の間にノイズテクスチャをミックスしました。
座席のモデリングやその他のマテリアル設定については、「インテリアのモデリング」の記事でも紹介していますので、併せて参照ください。
なお、模様の作り方については「Sphere Cube」さんのこちらのチュートリアル動画を参考にさせていただきました。
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ガラス(窓、ライト)
リアルなガラスのマテリアルを作るために、いくつかマテリアルを試したので紹介します。
グラスBSDFのみ
以下のように、いろいろなガラスマテリアルを試しましたが、今回のMini Cooperのモデルに使用するマテリアルはこちらのようなグラスBSDFのみで十分でした。
ガラスの屈折率(IOR, Index of Reflection)は1.52らしいので、好みで調整すればよいと思います。
https://docs.unrealengine.com/4.27/ja/RenderingAndGraphics/Materials/HowTo/Refraction/
ちなみに、Eeveeでレンダリングする場合は「スクリーンスペース屈折(Screen Space Refraction)をON」「屈折の深度(Refraction Depth)をガラスの厚さに」設定すると、こちらのように自然な見た目になります(参考記事)。
ライトパスノードを追加
ライトパスノードを使ったガラスマテリアルの例(参考記事)を試してみました。
今回は、グラスBSDF単体で使った場合と違いが出ませんでしたが、今後試してみる価値はあると思います。
光の分散を表現
以下の記事で、光の波長による屈折率の違いを表現するマテリアルノードを紹介されていたので試しに使ってみました。
残念ながら、ノイズがひどくうまく機能しませんでした(サンプル数256+デノイズ)。
関節光が少なくノイズの出にくい条件なら、きれいにレンダリングできるかもしれません。
また、「Lux Render」や「Yafaray」といった「フォトンマッピング法」を使っているレンダラーを使うと、ガラスを透過した光(コースティスク)をきれいに表現できます。
なお、上記のマテリアルノードの作り方は、こちらの記事を参考にさせていただきました🙇
コンポジット設定について
最後に、レンダリング時に使用したコンポジットの設定について簡単に記します。
Blenderの「コンポジット(Compositing)」の機能を使うことで、レンダリング画像の明るさの調節や、ボケやグローなどの特殊効果を追加するなどの後処理ができます。
コンポジットの使い方は、「Vtuberの解剖学」さんのこちらの記事で紹介されています。
https://vtuberkaibougaku.site/2021/05/01/blender-compositor-001/
コンポジットノードはこちらになります。
明るさを表現するために、「フォググロー」を追加しました。
また、「RGBカーブ」で明るさを調節しました。
コンポジット有り無しだとこちらのような差があります。
効果を追加することで、昼間の光の明るさを表現することができました。
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まとめ
2021年の7月に製作を初めて3か月近くかかりましたが、無事Mini Cooper Sを完成させることができました😅
別記事「 街並み(East London)の背景モデリング 」で紹介した背景と合わせて満足のいく出来に仕上がり、感無量です!😊
次回の記事では、こちらのモデルにリグを追加して、走行アニメーションを製作する方法を紹介したいと思います。
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