【Blender2.93】街並み(East London)の背景モデリング
Mini cooper Sのモデリングの背景として、East Londonのとある街並みをモデリングしました。
Google Mapの画像などを参考に、道路やレンガの壁などを中心にモデリングしたので、その過程について少し綴ります。
ご意見・質問等はクララのTwitter(https://twitter.com/klala_lab)まで(^^)/
<完成図>
ちなみに、「Mini Cooper S」の自動車モデリングについては関連記事にまとめていますので、こちらもあわせてご覧ください。
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作品の意図
Mini cooper Sを3か月近くかけてモデリングしましたが、背景をどうするかがちょっとした悩みでした。
minicooperはドイツのBMWが製造していますが、歴史的背景を考えるとイギリス車なので、ロンドンの街並みを背景にしたいと考えました。
ネット上で写真を見て回ったところ、East Londonの歴史ある5つ星ホテル「バティ・ラングレーズホテル(Batty Langley’s Hotel)」周辺の街並みが、MINIの雰囲気にピッタリだと感じたので、採用することにしました。
参考画像: Batty Langley’s Hotel
作成手順
背景モデリングの流れはこちらです。ひとつひとつの手順について説明していきます。
- Google mapのキャプチャを下絵として読み込む
- 道路を作成する
- 外壁(仮)を配置する
- 外壁・窓・玄関をモデリングする
- 装飾をモデリングする
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下絵の読み込み・スケール合わせ
Google mapをキャプチャした画像を保存し、こちらの動画のようにBlenderに下絵として読み込み、実寸スケールに合わせました。
以前「MINI Cooper Part1 ボディのモデリング」の記事でも紹介しましたが、不透明度の数値を下げて道路や建物をモデリングするときに下絵が透過して表示されるようにしました。
建物の配置がより分かりやすくなるように、地図と航空写真を重ねて配置すると良いと思います。
道路の作成
地図を下絵として配置したあと、道路を作りました。
まず、地図を参考に車道と歩道の境界上にベジエカーブを配置します。
立方体メッシュ+ベベルで縁石をモデリングしたあと、こちらのように配列+カーブモディファイアで縁石を並べました。
縁石を作ったら、車道と歩道を平面メッシュでモデリングします。
こちらのように、歩道はループカット等で、縁石に沿わせて頂点を配置しました。
こちらのように、地図を参考に見える所だけモデリングしました。
写真を参考に、道路のマテリアルを作りました(リアリティはまだまだですが…)。
車道のマテリアルは、「Poly Haven」からダウンロードしたテクスチャ(Floor Brick 02)を使わせていただき、ノイズテクスチャで青や赤の色合いを加えました。
歩道のマテリアルは、レンガテクスチャをベースにノイズテクスチャ等で調節しました。
縁石のマテリアルは、ノイズテクスチャとバンプで簡単にデコボコ感を出してみました。
外壁(仮)の配置
建物ひとつひとつのサイズ感を把握できるように、仮の外壁を作成して並べてみました。
マテリアルは、平面メッシュにレンガテクスチャを追加しただけです。
車を置いてレンダリングして検討してみたところ、こちらの構図が良さそうなので車の奥に見える建物4枚を中心にモデリングしていくことにしました。
外壁・窓・玄関のモデリング
建物をモデリングしていきます。
今回モデリングする「イギリス風建築」の特徴として、こちらのリファレンス画像のように窓回りのレンガの積み方や色が違います。
そのため、(ひとつのテクスチャ画像を使いまわしてモデリングする場合)窓回りのレンガを個別にUV展開する必要があると考えて、まずは基準となる窓からモデリングすることにしました。
窓は、こちらのように平面メッシュからモデリングしました。
チュートリアル動画等で基本的なモデリング方法を覚えた方なら、問題なく作れるはずです。
窓を配列モディファイア等で外壁上に配置したら、壁を平面メッシュで作成し、窓回りにループカット等で頂点を追加し、窓を凹ませます。
窓の部分を凹ませる方法は、「Kazuya」さんのチュートリアル動画がわかりやすいので、こちらを参照ください。
リファレンス画像を参考に、窓の上のアーチ部分にマテリアルを割り振り、UV展開しました。
UVエディタ上で編集し、こちらのようにアーチ状にレンガが並ぶように調節しました。
レンガのマテリアルは、「Poly Haven」さんの「Large Red Bricks」でGIMPで色調調節したものを使わせていただきました。
レンガの色が、各建物や場所によって異なるので、こちらのようにHSVやRGBカーブノードで色を調節して何パターンかマテリアルを作りました。
リファレンス画像のイギリス風の建築は左右に柱がある玄関が特徴的ですが、こちらのように写真を参考にモデリングしました(装飾は一部省略してしまっています)。
基本的に、他の建物も↑と同じ手順でモデリングしていきます。
街並みを作るのであればコピペでもよいと思いますが、よりリアリティを出すためには(少なくとも見えている建物については)ひとつひとつ窓の形やレンガや窓枠の色などを変えると良いと思います。
また、マテリアルにキズや汚れを追加すると、歴史のある街並みを表現できると思います。
装飾のモデリング
メインとなる建物が完成したら、扉の上のランプや、道路に立つ街灯・車止めなど装飾を追加してディテールを作りこんでいきます。
時間をかければかけるほどリアリティが増すと思いますが、どこまで作りこむかは時間との相談ですね…。
道路の路側帯のペイントも、こちらのようにシュリンクラップモディファイアとノイズテクスチャで表現しました。
最終的な仕上がりはこちらのような感じになりました。
風景単体の作品としてはちょっと寂しいですが、今回の作品に関しては「車の背景」の位置づけなので、これで良しとしました。
モデリングした車を合わせてみたところ、こちらのようにまずまず良い感じの仕上がりになりました😊
苦労した点
一番苦労したのは、レンガ壁のUV展開ですね…。
窓に合わせてレンガの大きさや向きを調節するのが大変でした。
建物をモデリングするのであれば、こちらのKazuyaさんの動画を参考に、建物の画像テクスチャをDLしてモデリングする方法がお勧めです。
また、こちらの記事で紹介されている「TexTool」というアドオンを使うと、UV展開後に自動で整列できて便利そうです(こんど試してみたいです)。
https://vtuberkaibougaku.site/2021/10/28/blender-bake-textools/
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まとめ
Google Mapを下絵に、ロンドンの街角をモデリングしてみました。
道路や壁の質感・汚れなど、もっとリアリティを出すための改善点が多々あるので、今後の作品に生かしていきたいと思います。
なお、車モデリングの完成編は、別記事「 Part5 マテリアル&コンポジット設定 」で紹介します。
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